家の建て替えに必要な費用の相場は?1000万円台でも可能?

1000万円の家の注意点
  • 家が古くなってきたので建て替えを考えている
  • 子供が大きくなったので家の建て替えをしたい
  • 耐震性、断熱性の高い家に建て替えたい
  • 出来れば1000万円台の費用で家の建て替えがしたい

新生活を迎えるにあたり、家の建て替えをお考えの方も多いのではないでしょうか?

しかし、多くの方が勘違いされがちなのですが、実は家の建て替えは、新築の家を建てるよりも費用が掛かることが多いのです。

これから始まる住宅ローン返済を考えると、少しでも予算を抑えていきたいですよね。

例えば、家の建て替え費用を1000万円台に抑えることができれば嬉しいのですが、可能なのでしょうか?

この記事では、家の建て替えにかかる費用の相場、そして費用を抑える為に押さえたいポイントをご紹介します。

家の建て替えとリフォームの違い

まず始めに、家の建て替えと、家のリフォームについて、簡単に説明していきたいと思います。

それぞれ、どのようなメリットがあるのでしょうか?

家のリフォームとは?

家のリフォームとは、現在建っている家の改修工事のことです。

活かせる部分はそのままに、外壁や水周りなどの改修工事を行っていきます。

工期は比較的短めで、簡単な工事の場合は費用を安く抑えることもできます。

しかし、築年数が古い家の場合だと、基礎や柱などを変更しない限り耐震性などに不安が残ります。

家の建て替えとは?

家の建て替えとは、現在建っている家を解体して、新しく家を建てることをいいます。

更地にした土地に新しく家を建てることになりますので、新築の家同様の費用プラスアルファがかかりますが、下記のようなメリットがあります。

  • 長い期間安心して家に住む事ができる
  • 間取りや設備など、今まで住んでいた家の不満を解消できる
  • 家のリフォームをするよりローンが組みやすい

築年数が古い家で、何よりも安心感を重視するのであれば、リフォームよりも家の建て替えを検討されることをオススメします。

家の建て替えの手順

ここからは、家の建て替えの流れを大まかに確認していきましょう。

家の建て替えをする際の参考にしてみてください。

1.建築会社の決定

家の建て替えを依頼する工務店やハウスメーカーを選定します。

相見積もりを取り、提示された費用や工事内容をよく比較しましょう。

2.設計・打ち合わせ

最終的に1社の建築会社と契約を結び、打ち合わせを重ねて設計内容を詰めていきます。

3.住宅ローンの申請

住宅の設計を進めながら、金融機関に住宅ローンの申請をしておきます。

4.仮住まいを探す

建築中に住む家を探し、賃貸契約を結びます。

5.引越し(仮住まい)

仮住まい先へ引越しします。

6.解体・着工

既存の家を解体して更地にし、新しい住宅を建築していきます。

7.竣工・引き渡し

完成した新居を施主立ち会いのもとに最終チェックをして、鍵を受け取ります。

一般的に、引き渡し日を住宅ローンの融資実行日とします。

8.引越し(新居)

新居へ引越し、いよいよ新生活の始まりです。

家の建て替えにかかる費用の相場

記事の冒頭で、「家の建て替えは新築よりも費用がかかることが多い」

とお話ししましたが、もちろんこれは土地付き一戸建ての家の場合です。

家の建て替えに関しては、もう土地は所有されているのですから、土地購入の必要はありませんよね。

では一体、何に費用がかかるのでしょうか?

ここからは、家の建て替えにかかる費用の相場をご紹介していきます。

建築費用の相場

まずは、建築費用の相場から見ていきましょう。

住宅金融支援機構発表の「フラット35利用者調査」によりますと、2018年度の注文住宅(土地取得を含まない)における建築費用の全国平均は3,390万円(年収倍率は6.5倍)、そして住宅面積は126.8㎡という結果でした。

2018年度 注文住宅融資利用者の主要指標

建築費用 住宅面積 ㎡あたりの
建築費用
年収倍率
全国 3,390万円 126.8㎡ 26.7万円 6.5倍
首都圏 3,688万円 125.3㎡ 29.4万円 6.6倍
近畿圏 3,490万円 127.5㎡ 27.3万円 6.8倍
東海圏 3,454万円 128.1㎡ 26.9万円 6.5倍
その他の地域 3,224万円 127.0㎡ 25.3万円 6.3倍

※年収倍率とは、融資金額が世帯年収の何倍に相当するかを示したものです。
出典:2018年度 フラット35利用者調査│住宅金融支援機構

上記の表をご覧いただくと分かりますように、建築費用には地域差があり、都市部ほど住宅面積は小さく、建築費用は高めになる傾向があります。

設計費用の相場

設計費用とは、建物の構造計算に基づき、設計図面を作成するために掛かる費用です。

設計費用の相場を算出するのは難しいのですが、ハウスメーカー・工務店の場合は、工事費全体の2~5%、設計事務所の場合は、10~15%ほどが目安になります。

「設計費用無料」を謳っているメーカーもありますが、設計を行わずに家を建築するのは不可能なため、建築費用は必ず掛かっています。

そのため、内訳に記載されていなくても、工事費に含まれていると考えましょう。

住宅ローンに関する費用の相場

住宅ローンを借りるにあたり、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか?

ここで、主な諸費用を確認してみたいと思います。

融資手数料

住宅ローンを契約するにあたり、金融機関に支払う手数料です。
目安としては、約3万円から5万円ほどです。
中には、融資金額の2%程度、もしくは無料としている金融機関もあります。

印紙税

住宅ローンの契約書に、印紙を貼る形で納税します。

契約金額 印紙税額
500万円~1000万円以下 1万円
1000万円~5000万円以下 2万円
5000万円~1億円以下 6万円
1億円~5億円以下 10万円

住宅ローン保証料

保証会社との契約を結ぶ際に支払う費用です。

外枠方式(一括)の目安 借入額の2%
内枠方式(分割)の目安 金利に0.2%上乗せ

登記費用

不動産に金融機関の抵当権を設定するための費用です。

手続きを行う司法書士への報酬とあわせて10万円程度かかります。

手数料や保証料の設定や金融機関によって異なり、ネット銀行を中心に諸費用を大幅に安く設定しているケースもあります。

家の解体工事費用の相場

家の建て替えには「家の解体工事費用」が掛かります。

家を建て替えするためには、それまで住んでいた家を解体し、更地にしなければいけません。

家の解体工事費用の相場をみていきましょう。

工法別解体工事費用の相場

家の工法 解体工事費用の坪単価
木造住宅 2万円~6万円
鉄骨住宅 3万円~6万円
鉄筋コンクリート 4万円~7万円

坪・工法別解体工事費用早見表

木造住宅 鉄骨住宅 鉄筋コンクリート
10坪の家 約20万円~ 約30万円~ 約40万円~
20坪の家 約40万円~ 約60万円~ 約80万円~
30坪の家 約60万円~ 約90万円~ 約120万円~
40坪の家 約80万円~ 約120万円~ 約160万円~

上記の費用以外に、各種経費や家の解体工事の際に出た廃棄物の処理費用も別途必要になります。

建物滅失登記の費用相場

家の解体工事後には、「建物滅失登記」という手続きが必要になります。

建物滅失登記とは、建物を取り壊して無くなってしまったことを登記所に申請するための手続きです。

これは、実質的には登記を代行してくれる土地家屋調査士への報酬ということになります。

費用の相場

約4万円~5万円

仮住まいの家賃費用相場

一般的な新築の家を建てる場合とは異なり、家の建て替えの場合は、それまで住んでいた家を一旦出なければいけません。

そうなれば当然、建築工事をしている間、仮住まいの家(賃貸アパート等)を契約しなければならなくなります。

家の建て替え期間は、大体6~8ヶ月程度と言われていますので、その間の家賃と、敷金礼金などが発生することになります。

家賃費用の相場

地域によって異なりますが、一軒家の場合7万円程度~。

8ヶ月間の滞在で、約56万円+敷金礼金が掛かります。

引越し費用の相場

今まで住んでいた解体予定の家から、仮住まいの家への「引越し費用」が発生します。

そして当然のことながら、仮住まいの家から新築の家へと引っ越すための費用が発生します。

では、引っ越し費用の相場を見てみましょう。

引越し費用の相場表

距離 費用相場
15km圏内の場合 約6万円~12万円
50km圏内の場合 約7万円~11万円
200km圏内の場合 約8万円~14万円

名義変更にかかる費用の相場

不動産の名義変更には期限が設けられていないため、「亡くなった父名義の家にそのまま家族が住んでいる」というケースもあります。

しかし、住宅ローンの融資を受けるためには、相続人への名義変更が必要です。

また、相続権を持つ人が複数いる場合は、後々のトラブルを防止するために遺産分割協議書を作成しましょう。

不動産の名義変更(所有権移転登記)にかかる費用

登録免許税(相続の場合) 不動産の価額(固定資産税評価額)の0.4%
登記の際に添える必要書類の発行手数料 住民票の写し1通300円、戸籍謄本450円など

司法書士へ支払う報酬

5~10万円程度(司法書士事務所により異なります)

不動産の名義変更は法務局へ出向き自分で申請することも可能ですが、手続きが煩雑なため司法書士に依頼するのが一般的です。

仲介手数料や諸経費

その他にも、今まで住んでいた家から仮住まいの家へ引っ越す際、仮住まいの家に入りきらない家具等を保管しようと思えば「倉庫代」が発生します。

また、仮住まいの家を紹介してくれた不動産屋さんへの仲介料が必要な場合もあります。

その他、一度仮住まいの家を経由することで、馬鹿にならない諸経費がかかってくることを念頭に置く必要があります。

目指せ1000万円台!家の建て替え費用を抑える5つのポイント

以上のように、家の建て替えというのは、家の建築費以外にも諸々と費用が掛かることになります。

重要なのは、それらのことを踏まえたうえで、家の建て替え予算を決定することです。

では、例えば1000万円台の予算に抑えるとすれば、どのようにすればよいのでしょうか?

ここからは、家の建て替え費用を1000万円台に抑えるために必要なポイントを5つご紹介していきます。

1.解体工事の費用を抑える

解体業者の手配は、家を建築するハウスメーカーや工務店が行ってくれますが、自分で探すことで費用を抑えられる可能性があります。

そのためには、相見積もりをとって比較すると良いでしょう。

また、解体費用のなかで、意外とかさむものが廃棄費用です。

解体で出たごみは産業廃棄物扱いとなり、家庭ごみに比べて処分費用が高額になります。

室内の家具や不用品を、事前にできるだけ運び出して処分しておきましょう。

2.シンプルな家づくりを心がける

家全体の形と室内の間取りをシンプルにすることで、建て替え費用を抑えることができます。

室内を細かく区切り部屋や収納の数が多くなるほど、間仕切り壁や扉が沢山必要になり、建材が増えコストが上がるためです。

クロスやフローリングといった内装材はできるだけ統一し、使用する種類を少なくすることで、コストダウンになります。

テーブルや収納棚などの造作家具は高額になりがちなため、既製の家具と比較・検討すると良いでしょう。

3.木造住宅にする

家の構造(工法)によっても、建築費用は変わります。

国土交通省発表の「住宅着工統計」によると、2018年に着工された一戸建て(持ち家・分譲住宅)における、工事費予定額(1平米あたり)は下記の通りでした。

構造 工事予定額(1平米あたり)
木造 17万円
鉄骨鉄筋コンクリート造 28万円
鉄筋コンクリート造 28万円
鉄骨造 26万円
コンクリートブロック造 20万円

ほかの構造に比べて、木造住宅は建築費用を抑えられることが分かります。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)

4.住宅設備は必要最低限にする

キッチン・浴室・トイレといった住宅設備は、必要最低限のグレードを選択することで、家の建て替え費用を抑えることができます。

特にキッチンは高額になりやすく、デザイン・機能性にこだわると、あっという間に予算オーバーしやすいです。

高機能トイレや浴室のミストサウナといった便利な設備も、それぞれのライフスタイルに照らし合わせて、本当に必要かどうかを見極める必要があります。

家づくりにおける優先順位が低く、後付けが可能な設備は選択肢から外してみましょう。

5.複数の住宅会社を比較する

1000万円台という低価格で家を建ててくれる住宅会社を探すためには、ローコストメーカー、工務店、大手ハウスメーカーを含めた、複数の住宅会社に見積もりを依頼することが重要です。

ハウスメーカーや工務店によっては、同じプランでも家に掛かる費用に差が出ることも少なくありません。

複数社に見積もりをとることで、

「他社よりも数百万円安く建ててくれる住宅会社が見つかった」

ということもありえるのです。

また、見積もりを依頼することで、各社の対応などから信頼のできる住宅会社を厳選することも出来ます。

家の建て替え費用を抑えるために

建て替えをした新築の家

家の建て替えをする為には、建築費用だけでなく、解体費用、登記費用、仮住まいの家賃、引越し代といったさまざまな費用がかかります。

建て替え費用を1000万円台といった予算に抑えるためには、可能なことはできるだけ自分でやり、無駄のないプランニングを選択しましょう。

見積もりの際には複数の解体会社や住宅会社に依頼して、提案内容をしっかりと比較することが大切です。

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