「家を建てよう」と考えたとき、まず頭を悩ますのが費用のことですよね。
土地代やこれからの生活費のことを考えると、できれば費用を抑えてローコスト住宅を建てたいというのが本音だと思います。
そのような気持ちを汲み取ってか、ハウスメーカーや工務店が、次々に「ローコスト住宅プラン」を打ち出していますが、例えば1000万以下で家を建てることは可能なのでしょうか?
後悔しないローコスト住宅の建て方と合わせて解説したいと思います。
1000万円以下の家!ローコスト住宅を建てるポイント
家の本体価格が1000万円以下の家は、平均的な住宅価格より安いです。
夢のマイホームですので、色々とこだわりたい気持ちもあると思いますが、1000万円以下で家を建てるためには、価格を抑える工夫が必要です。
ここでは、「1000万円以下の家」というローコスト住宅を建てるためのポイントをお話ししたいと思います。
1.家の形や外観デザインはシンプルに
まず、1000万円以下で家を建てるのなら、家の形は「シンプルな箱型」を選ぶようにしましょう。
家に掛かる費用は、形を複雑にすればするほど外壁などの建設資材が増えて高くなってしまいます。
一方、シンプルな箱型の家は、必要最小限の資材で済ますことができます。
更に、シンプルな家は使う材料が同じなので、材料の一括仕入れを行うことができ、大量仕入れにより安く資材を手に入れることができます。
2.部屋数の少ない間取りにする
部屋数の少ない間取りにすることで、各部屋を仕切る壁を減らすことができ、結果、材料代を削減することができます。
更に、各部屋の壁をつくる手間も無くなるので、工事費を安く抑えることや、照明や設備を減らすことも可能です。
「部屋数が少ない」と聞くとデメリットのように思いますが、そうとは言えません。
例えば、ワンルームにして開放的な間取りにすれば、家族とのコミュニケーションが増えます。
家具の配置を工夫すれば、仕切られた部屋のように使うこともできます。
ワンルームをライフステージに応じて変更ができるのも、部屋数の少ない間取りにするメリットです。
3.住宅設備は必要最低限にする
コストを抑えるためには、キッチン、トイレ、お風呂など水回りの住宅設備を必要最小限にしましょう。
水回りは1カ所にまとめることで、水道管やガス管などの距離を短くできます。
これにより、費用が抑えることができます。
また、住宅設備メーカーにこだわりを持つと高価になりやすいので注意してください。
とはいえ、せっかくのマイホームですから、こだわりたい部分も出てくると思います。
そんな方は「キッチンだけ」「お風呂だけ」のようにして、こだわりたい住宅設備を決めるようにしましょう。
4.工務店も検討する
住宅会社を選ぶ際は、ハウスメーカーだけではなく、工務店も合わせて検討するようにしましょう。
特定の住宅会社に依頼してしまうと、その業者の言い値で費用が決定します。
業者を選ぶとき必ず3社以上に見積を依頼して相場をつかみましょう。
もちろん工務店は「安ければ良い」とは限りません。
安かろう悪かろうという仕事をされては、補修工事などで逆に高くつきます。
時間があれば工務店へ行き、
- 窓口のスタッフ対応は良いか?
- 清潔感はあるか?
- 社員がイキイキとしているか?
などを確認してみましょう。
1000万円以下の家!ローコスト住宅を建てる際に注意したいこと
1000万円以下のローコスト住宅を建てるとき、価格ばかり注目して「とにかく安い家にする」と考えてしまう方は注意。
安くても性能が低い家では折角のマイホームが台無しです。
1000万円以下で家を建てる際に注意したいことをまとめました。
1.住宅ローンは無理のない範囲で組む
1000万円以下の家は、平均的な住宅価格に比べて安いです。
ただ3000万円や4000万円の家に比べると安く感じるだけで、高額な買い物に変わりありません。
「安いからすぐに返せる」と無理なローンを組まないよう注意しましょう。
一般的に、年収に対して20~30%程度の返済額(年間)が無理ない範囲です。
また家庭ごとに生活にかかる費用は違います。
例えば、住宅だけでなく車、教育など他のローンを組んでいる場合、それらの費用を考慮して、無理のないローンを組みましょう。
可能であれば頭金も検討する
1000万円以下の家とはいえ、購入にかかる費用は大きなものです。
頭金を用意することで、利息や支払い総額を抑えられるといったメリットが生まれます。
頭金なしでも住宅ローンは組めますが、もし可能であれば、頭金の用意を検討しましょう。
ちなみに、住宅ローンを組む際は全費用の2割程度の頭金があれば
よいとされています。
これは、建築費以外の諸経費が住宅ローンの対象にならないためです。
2.断熱性や耐震性など住宅性能を疎かにしない
いくら1000万円以下で家を建てるといっても、「断熱性」と「耐震性」は疎かにできません。
断熱とは熱が伝わるのを防ぐことです。
断熱性が高い家は、家の熱を外に逃がさず、外の熱が家に入りにくいです。
断熱性を高めることで冬は暖房の温かさ、夏は冷房の涼しさが持続します。
空調効率が良いので電気代をお得に節約できます。
また日本は地震国のため、どの地域に住んでも地震への不安があります。
住宅の耐震性は「耐震等級」という形で表します。
-
- 耐震等級1 建築基準法が定める最低基準
- 耐震等級2 等級1の1.25倍の耐震性能
- 耐震等級3 等級1の1.5倍の耐震性能
耐震等級3が最も耐震性が高いです。
耐震性については、費用をケチらずグレードを高くすべきです。
3.住宅展示場に足を運ぶ
家が欲しくなった方は、
「実際の家を見てみたい!住宅展示場へ行こう」
と足を運ぶかもしれません。
確かに住宅展示場は、「実物の家を体験できる」「詳しい説明を聞ける」などのメリットがあります。
実際の家のイメージを持つのは良いことです。
ただし注意点もあります。
まず、住宅展示場には各メーカーの営業マンがいます。
彼らは自社の住宅を「売り込む」人たちです。
その住宅がいかに良いか「だけ」を説明するので、デメリットや本音が聞きづらいです。
また住宅展示場の家具や設備は、写真映えのする高品質な物ばかりです。
これはあくまでも「住宅展示場用の設備」です。
1000万円のローコスト住宅では、設備は必要最小限が鉄則。
住宅展示場のオシャレな設備に目を奪われないよう注意してください。
平屋より2階建てが安いって本当?
同じ延床面積の家なら、平屋より2階建ての方が安いです。
理由は2つあります。1つ目は敷地面積と基礎の違いです。
例えば、平屋と2階建ての延床面積を100㎡とします。
平屋(1階建て)は100㎡を確保するため家は平面的に広くなります。
一方、2階建ては、1階と2階で合わせて100㎡にすれば良いので、各階50㎡とすると平面的な大きさは平屋の半分で済みます。
平屋は大きな敷地面積が必要で、平面的に広いと「家の基礎の数」も増えます。
平屋の方が高くなる理由の1つです。
2つ目は屋根面積です。
平屋の方が2階建てに比べて広い屋根が必要です。
延床面積が同じなら、屋根工事費用は2倍になります。
以下の記事では、1000万円以下で平屋の家を建てた人の体験談を紹介しています。
ローコスト住宅を建てる際の参考にしてみてください。

1000万円以下のローコスト住宅を建てるなら注文住宅?規格住宅?
「注文住宅」とは、間取りや仕様などを住宅会社と打ち合わせして建てる家のことです。
自由に間取りや設備を決定することができますので、必要のない部分を削ったり、設備のグレードを下げたりできます。
例えば、
「トイレやキッチンは安いものにしよう」
「間取りはシンプルなものにして費用を抑えよう」
「外構や内装を、自分でDIYしてみよう」
といったように、予算に合わせてコストを抑えていくことも可能です。
反対に「規格住宅」は、間取りや外観、仕様など、既に決められた条件を組み合わせて建てる家のことです。
間取りや仕様が決まった建設済みの住宅(建売住宅)と注文住宅の中間的な選択肢と考えてください。
規格住宅は費用が分かりやすいため、予算立てがしやすいといったメリットがあります。
しかし、間取り等の自由度が低いといったデメリットがあります。
あなたにとって最適な家づくりができるのはどちらの建て方なのか、しっかりと検討するようにしましょう。
1000万円以下の家!ローコスト住宅メーカーの選び方
このように、上記に挙げたポイントを熟知しておけば、1000万円以下で家を建てることも夢ではありません。
とはいっても、1000万円以下で家を建ててくれるローコスト住宅メーカーを探すのは難しいもの。
しっかりとした家を建てる技術があり、なおかつ、誠実な対応ができる優良業者に出合うためには、通常ならばハウスメーカーや工務店などの住宅会社に複数回出向き、
- 予算内で家を建てられるか?
- 提示されたプランは希望通りか?
- 住宅会社の対応はしっかりしているか?
- 安いだけの悪徳業者ではないか?
上記の事を自分の目でしっかりと見定め、判断することが必要になります。
しかし、その都度営業から売り込みプレッシャーを受けることにもなりますので、
「他社と比較する前に決めてしまった…」なんてことも。
「もしかしたら、別の業者のほうが魅力的だったかもしれない…」
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