近年、人気を集めているのが、狭い土地を有効活用した小さい家です。
みなさまの中でも、「新築するなら小さい家を建てたい」とお考えの方もおられるのではないでしょうか?
バブルの時代のように、広くて豪華な家を建てることがステイタスだった頃とは、ライフスタイルも価値観も大きく様変わりをしました。
コンパクトながら利便性の高い小さい家で優雅な生活を送るのも賢い選択です。
この記事では、小さい家を建てる為に必要な費用、そして、快適な暮らしをするために押さえておきたいポイントをいくつかご紹介していきたいと思います。
小さい家を建てる6つのメリット
小さい家には、大きくて豪華な家では得ることができない沢山のメリットがあります。
小さな家を建てることで、どのような暮らしを送ることができるのでしょうか?
小さい家を建築するときの費用、住みはじめてからのランニングコスト、毎日の暮らしの各視点から、6つのメリットを紹介していきます。
1.家の購入価格が安い
小さい家が求められるようになった背景にはいくつかの要因がありますが、まずは何といっても 「家の購入価格が安い」という嬉しいメリットが挙げられます。
小さい家を建てることで建築費用が抑えられ、その結果、住宅ローンの負担を少なくすることも可能です。
これは単に、支払い能力の問題だけでなく、浮いた費用で生活を向上させられるという点が注目されています。
旅行の回数を多くしたり、趣味への投資を多くできたりと、日々の生活に潤いをもたらしてくれるメリットです。
2.税金が安い
住宅を購入するときは、「登録免許税」や「不動産取得税」といった税金が掛かります。
また、購入後は住宅ローンの返済とは別に、毎年の「固定資産税」が課税されます。
さらに市街化区域である場合は、「都市計画税」の支払いが必要です。
これらの税額はおもに、築年数・敷地が接する道路といった要素から算出され、敷地面積と家の延床面積が大きいほど高くなります。
そのため、小さい家であればイニシャルコスト(初期費用)、ランニングコスト(維持費用)の両方で課税額を抑えることが可能です。
3.メンテナンス費用が抑えられる
快適な状態で家に住み続けるためには、定期的な点検とメンテナンスが大切です。
各種メンテナンスのなかでもまとまった費用が必要となる「外壁塗装」は、新築後10年が実施時期の目安と言われています。
外壁のメンテナンスにかかる費用は住宅の劣化状況や塗料のグレードなどにより異なりますが、塗料代は塗装面積に比例して決まります。
塗装面積=家の大きさと言い換えることができるため、小さい家はメンテナンス費用を抑えるために有効なのです。
4.家の掃除が楽になる
小さい家は、部屋数が少なくなることがほとんどですので、家の掃除が楽になるというメリットがあります。
夫婦共働きで忙しい毎日を送っている人にとって、これは些細な問題ではありません。
動線が短くなって家事全体も楽になるので、夫婦円満の鍵となる可能性も秘めています。
5.駐車場や庭を広く作れる
敷地面積に対して小さい家を建てれば、そのぶん空いたスペースに庭や駐車場を確保することができます。
広い庭があればガーデニングで四季を感じたり、家庭菜園で野菜の収穫を楽しんだり、子どもやペットの遊び場になったり…
とライフスタイルに合わせて自由に活用することができますよね。
また、駐車スペースを作ることで、自動車等を身近に保管することができます。
月極駐車場のように毎月の駐車場代を支払う必要がありません。
6.人気のある地域を選べる
最寄り駅やショッピングモールに近いなど、利便性が高く人気のあるエリアは、土地の面積が高めで一区画あたりの敷地面積が小さめとなっていることが多いです。
そのため、広い面積にこだわって土地を探すと、人気の地域では物件の選択肢が少なくなる傾向があります。
エリアによっては、売出し中の土地がないケースも珍しくありません。
そのため、小さい家に合った小さめの土地も条件に含めることで選択肢の幅が広がり、物件を見つけやすくなります。
小さい家を建てるために必要な費用は?
では、小さい家を建てるためには一体どれくらいの費用が掛かるのでしょうか?
例えば、小さい家を25坪までの建物として考えてみた場合、おおよそ1000万円~で建てることも可能です。
もし平屋で小さい家を建てるのならば、1000万円を切ることもありますので、意外とローコストで家を建てられることが分かりますよね。
ただし、快適さを考えるならば、どの住宅会社に依頼しても大丈夫!というわけにはいきません。
コンパクトでも住みやすい空間、間取りを作るには、経験とアイデアが必要になります。
狭小住宅に力を入れ、小さい家づくりが得意な住宅会社も多くなっているので、実績のあるところに相談して建てることをおすすめします。
小さい家の建築費用実例と体験談
ここからは、実際に「約25坪(82.64 ㎡)の小さい家」を建てられた方を対象に、家の本体価格・間取り・実際に住んでみた感想など、小さい家に関するアンケートをとりました。
小さい家をご検討中のみなさまのご参考になれば幸いです。
小さい家の建築費用実例
所在地 | 愛知県 | 埼玉県 | 大阪府 |
---|---|---|---|
依頼先 | 積水ハウス | 県民共済住宅 | COOP |
敷地面積 | 82.8㎡(25.05坪) | 165.03㎡(49.92坪) | 86.56㎡(26.18 坪) |
建築面積 | 60.38㎡(18.26坪) | 66.24㎡(20.04 坪) | 37.02㎡(11.2 坪) |
延床面積 | 120.45㎡(36.44坪) | 66.24㎡(20.04 坪) | 108.23㎡(32.74 坪) |
構造 | 木造 | 木造 | 木造 |
階数 | 二階建て | 平屋建て | 三階建て |
間取り | 4LDK | 2LDK | 4DK |
本体価格 | 1850万円 | 980万円 | 1800万円 |
所在地 | 福岡県 | 京都府 | 東京都 |
---|---|---|---|
依頼先 | タマホーム | 住友不動産 | 北村住建 |
敷地面積 | 98.5㎡(29.8坪) | 86㎡(26.02坪) | 80㎡(24.2坪) |
建築面積 | 36.8㎡(11.13坪) | 63㎡(19.06坪) | 48㎡(14.52坪) |
延床面積 | 79.3㎡(23.99坪) | 112㎡(33.88坪) | 130㎡(39.32坪) |
構造 | 木造 | 木造 | 木造 |
階数 | 二階建て | 三階建て | 三階建て |
間取り | 3LDK | 3LDKと倉庫 | 4LDK |
本体価格 | 1930万円 | 1500万円 | 4500万円 |
所在地 | 千葉県 | 神奈川県 | 栃木県 |
---|---|---|---|
依頼先 | アキュラホーム | ミサワホーム | – |
敷地面積 | 90.86㎡(27.49坪) | 1000㎡(302.5坪) | 480㎡(145.2坪) |
建築面積 | 38.11㎡(11.53坪) | 75.25㎡(22.76坪) | 48㎡(14.52坪) |
延床面積 | 76.22㎡(23.06坪) | 75.25㎡(22.76坪) | 72㎡(21.78坪) |
構造 | 木造 | 木造 | 木造 |
階数 | 二階建て | 平屋 | 平屋(小屋裏利用) |
間取り | 2LDK | 2LDK | 1LDK |
本体価格 | 1920万円 | 2000万円 | 840万円 |
体験談!小さい家に住んでみた感想は?
神奈川県/Yさんの体験談
無駄な空間が嫌だったので、機能面が優れた小さい家を建てることができてよかったです。
東京都/Sさんの体験談
小さい家は範囲が狭いので掃除機がけが楽です。
あと、家族を呼ぶときに一声で呼べます。
大阪府/Kさんの体験談
小さい家は掃除や移動がとても楽です。
子供が一人でなので、子供が独立したら将来主人と二人なら問題ないと思い、小さい家を建てることにしました。
東京都/Mさんの体験談
小さい家ですので狭いですが、その分生活導線がコンパクトにまとまるように考えながら建設したので、とても住みやすいです。
岡山県/Wさん
小さい家は、全てが見渡せること、そして家族の気配を感じていられることがメリットです。
小さい家ながらも、子供の勉強がしやすく、また、友人達の集う家にしたかったので、リビングに重きを置いて作って大正解でした。
愛知県/Fさん
夫婦二人暮らしなので、部屋数は必要最低限で建てることにしました。
そのため掃除は簡単ですし、ケンカをしていても、家にいる限りは顔を突き合わせずにはいられません。
そのうちケンカしていることも忘れてしまします。
北海道/Rさん
小さい家は寒い時期に暖房で家が暖まりやすいことがメリットです。
どうしても広いとなかなか暖まりにくく燃料代も高くなります。
大阪府/Hさん
少ない坪数でガレージ付の間取りで建てることができたので良かったと思っています。
あまり大きな家を建てると外壁メンテナンスのときの費用もかさむと聞いたことがあります。
小さい家を建てる4つの注意点
以上のように、小さい家には様々な魅力やメリットがあります。
しかし、小さい家の土地選びや間取り計画の際によく考えておきたいポイントもあります。
小さい家を建てる際の4つの注意点を確認していきましょう。
1.土地選びはしっかりと
家づくりは土地探しから始まりますが、重要なのがこの土地選びです。
家を建てる際は、安さや利便性を重視してしまいがちですが、実際に建てた時のことを考えて選ぶことが大切です。
例えば、隣家との距離が近すぎるとちょっとした生活音も気になりますし、土地の形によってはいくら工夫してもデッドスペースが生まれてしまうこともあります。
また、「工事車両が入れなくて困った」といったケースもありますので、十分に注意する必要があります。
既に依頼する住宅会社が決まっているならば土地の購入から相談に乗ってもらうと良いかもしれません。
2.間取り決めは慎重に
小さい家を建てる際には、間取りの計画を慎重に立てましょう。
限られた空間を無駄なく活用し、効率の良い家事動線を描ける間取りにするためには、当初の希望に固執しすぎずに、家の形状に合わせて柔軟に考えることも大切です。
例えば、近年は対面型のシステムキッチンを設置した台所が人気です。
しかし、間口が狭い長方形の家に無理に対面キッチンを設置すると、通路がかなり狭くなってしまうケースもあります。
この場合、壁付タイプやⅡ型のキッチンも検討してみましょう。
3.ユニットバスは要注意?
ユニットバス(システムバス)とは、壁・天井のパネルや浴槽といった一式を工場で生産し、建築現場で組み立てる浴室です。
もっとも一般的な工法で、大量生産のため費用を抑えることができます。
ただし、柱が飛び出している、天井が傾斜しているといった、特殊な形状の浴室には設置ができません。
小さい家では、空間を無駄なく活用するために、変わった形の空間が生じるケースも多いため、ユニットバスの採用を希望する場合は注意が必要です。
4.収納スペースに気をつける
「小さい家では充実した収納の確保は難しい…」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、収納スペースは単純な大きさよりも、いかに活用しきれるかが重要になります。
使いやすい収納スペースづくりは、
- 無駄なく仕舞える
- 楽に取り出せる
- 使う場所の近くにある
といったポイントを押さえることが大切です。
また、
- 踏み台に乗らないと手が届かない
- 奥行きが深すぎて仕舞いづらい
- 取り出すまでに何度もアクションが必要
このような無駄が生じないか、生活動線と持ち物の種類をできるだけ具体的に想定しながら小さい家の収納計画を立てるようにしましょう。
注文住宅で小さい家を建てるメリット
小さい家を建てる際の選択肢として、注文住宅と建売住宅があります。
大きな家では間取りに少々の無駄があっても問題になりにくいですが、小さい家の場合、限られた空間を最大限に活かす必要があります。
建売住宅は、万人向けの間取りや設備で建築されていますが、家族構成や生活習慣によって、住まいに求める機能は異なってくるものです。
注文住宅で小さい家を建てることで、住む人のライフスタイルにフィットした綿密なプランニングが可能になります。
住み心地の良い小さい家を建てるために
以上、近年注目を集める小さい家の特徴とメリット、建築費用の目安、そして体験談をご紹介しました。
小さい家は1,000万円台で建築することも可能で、住宅ローンのほか毎年の税金・メンテナンス費用なども抑えることができます。
また、コンパクトな空間は生活動線が短く、効率よく暮らすことができます。
土地の形状や立地に注意し、デッドスペースのない慎重な間取り計画をし、住み心地の良いマイホームを建ててくださいね。